時事

神戸電鉄粟生線 3年後廃止か?

11月27日神戸新聞朝刊1面およびWEB版掲載

神戸電鉄・粟生線 11年度中に存廃判断へ」が掲載された。

以前より厳しい経営状況が続いている神戸電鉄(神鉄)粟生線ですが、ついに国からの補助金の打ち切りがほぼ決定。現状では2012年に全線~一部区間の廃止が濃厚になってきた。

沿線人口の過疎化というよりも並行道路の整備に伴うモータリーぜーションと神姫バスの平行路線に乗客を奪われたことが要因。

実際、小野、三木方面からだと西脇急行線がほぼ毎時1本以上運転される上、明石方面行きも運転されています。恵比寿駅からは住宅街を経由する恵比寿快速線もあります。電車と比較して本数は少ないですが、利用客はそこそこいます。日中に関して言えば電車よりもバスの方が適正輸送規模になっているのではと感じるほどです。

また、加古川線から神戸電鉄に乗り換えて神戸方面への流れは、電化後更に弱くなり加古川で新快速に乗り換えるのが主流になっています。加古川経由のほうが距離的には遠回りにないますが、新快速の速達性と加古川と粟生での乗り換えの利便を考えるとやはり加古川の方が便利といえるでしょう。粟生での接続は決して悪いことは無いものの、粟生線の遅さと何も無い粟生で待つのは結構苦痛になります。特に冬は回りにこれといって何も無いので寒いこと限りない。

粟生駅神戸電鉄3000系

粟生駅神戸電鉄3000系


粟生線の存続については上下分離も検討された模様ですが、そもそも財政難で病院経営も危うい三木市にそんな負担を負えるはずも無く、地元自治体にはそんな余力が無い状況です。近鉄の伊賀線(現 伊賀鉄道)や養老線(養老鉄道)のように第3種鉄道事業者として神戸電鉄、第2種事業者として3セク会社を設立して運用するというのはどうなのだろうか。いずれにしても何らかの補助金がないと運営は出来ないのは間違いないことだろう。

近鉄養老線当時の大垣駅

3セクになって生き残れるか


地元の機運も盛り上がらない。加古川線のときはそこそこ盛り上がったし鍛冶屋線は一大運動となった。粟生線については鉄道と住民のが大きく離れてしまっている気がする。生活の一部に鉄道は入っていないようである。もっとも志染以南いついてはそうともいえないが、少なくとも三木以北はマイカーありきの生活空間になってしまっている。公共交通を維持していくには自治体や国による街の設計そのものをマイカーから公共交通ベースの設計に改める必要がある。その最近の事例としては富山市がある。スプロール化で分散して非効率になった行政サービスを路面電車などの公共交通でいける範囲に集約し都市機能を効率化している。都市の規模は違えどモデルケースにはなりうると思う。

廃線後の三木鉄道三木駅

三木から鉄道が消えてしまうのだろうか


単に鉄道利用促進よりも税制などにより鉄道など公共交通を維持する政策も必要だろう。CO2削減など環境対策、将来の更なる高齢化など総合的に見て鉄道の存続価値を見直して対策を打って必要があるのではないだろうか。

消える汽笛 明石海峡のフェリー

ついに明石海峡からもフェリーが消えるニュース

たこフェリー 姿消すのはほぼ確実 売却益を負債と従業員の退職分に当てるようです。

航路としては廃止ではなく休止なのがせめてもの救いですが、現状では遅かれ早かれ無くなる運命にあるでしょう

本来、明石淡路フェリー(当時 明石フェリー)は国道28号線の海上区間として県が運営しのちに道路公団が運営したこともあり明石海峡大橋の開通とともにその使命を終えるはずだったのです。

橋が架かる前は明石のフェリーの乗降場は大変な混雑でした。連休などになると待機場に入りきれない車が国道あたりまでの渋滞になるくらいで数時間待ちになるくらいでした。そのフェリー、私が気づいたときには既に民間の明岩フェリーになっていましたが、混雑は変りませんでした。今と異なり24時間運行を続けていました。

明石淡路フェリーあさなぎ丸

状況が変ったのが海峡大橋の大幅値下げと1000円高速。海峡大橋の弱点はその通行料金。そのことが原因で通行量は低迷し、そのころはフェリーも比較的減少も少なかったのです。しかしETC導入に伴う割引が始まってからは状況が変りました。橋の通行量そものの値下げとともに高速道路の割安料金、ついに1000円高速。高速道路の利用が大きくなると、料金が割高になり混雑する2号線を通ることになるフェリー経由は急減しはじめます。そのころは丁度そのほかの瀬戸内航路の廃止と重なります。そして今に至ります。

オリジナルカラーの明石淡路フェリー

元を辿ると、国道フェリーとして開業し、そもそもがその代替として運行していた経緯を考えれば海峡大橋建設の時から航路廃止は決定事項だったと言えるのです。だからこそ明石海峡大橋の起工とフェリーの払い下げが同じ年に行われているといっていいと思います。言ってしまえば当時の公団の経営から見ればいずれ赤字・廃止になる航路なら先に払い下げるのは、後々起きるであろう問題を回避できる分当然の方針といえるかもしれません。

たこフェリーことあさしお丸

ただ、今現在の地域交通を考えれば、すべての船便をなくすのはどうかと思う。

そもそも、国道フェリーであり地域交通を担ってきた一面も考慮すれば、明石市や淡路側だけに押しつけるのは明石海峡大橋の利便性やそちらに力を入れてきた県にも責任はあるのではと思う。道は地上にある分だけで無いわけで海上の見えない部分も道そのもの。そうであれば県としても維持する努力は必要なのではないだろうか。

高速道路 整備新幹線 空港 通り抜け 平行在来線 飛ばない空港

グローバル化や高速化 大きな利便性の一方でミクロスケールの交通は議論されず切り捨てられてきた。

今こそマクロからミクロまでの交通政策を見直し、本当に必要であり求められるべき交通網を残していくべき時ではないだろうか。

関連リンク

明石淡路フェリー株式会社

神戸新聞 たこフェリー11月休止へ 明石‐淡路間 

現代における発見とマネジメント

最近あまりに多い高齢者の身元所在地不明。

これはある一種の発見だと思う。

発見と言うには大きく分けると2つある。

誰も知らない これまでも知られていない全くオリジナルなものを見いだした場合

例えば、新種のウィルスや治療方法、法則とかですね。

も一つのタイプが、過去に知っていたが忘れ去られた物。行方不明野物が見つかった場合などの再発見と言われるタイプです。

今回問題なのは2つめタイプの再発見と言われるタイプ。

極論を言えば、あるのだけど誰もが忘れたか何処かに紛失していまったというのは管理が出来ていなかったってことなんですよね。時代時代によって価値は変るし、管理方法も昔だと徹底していない場合が多いのだから仕方のない一面もあります。そうしたことによって謎が生まれることにより歴史はミステリーとして面白さを増してくれますし、研究にもなります。

しかし、現在進行形でそれと同じことをしてもらっては困るわけですよ。

単なる管理を怠っていただけで何のメリットも生まず損失になっていまいます。

ましてや行政でそれをしてしまうと誰が国の管理をするの?ってことになりかねません。

情報は膨大です。現代社会においてこれまでの歴史と比較しても比較にならないほど膨大な情報が溢れかえっています。その中で役割をもち情報を預かっている者が情報を管理出来なくなれば、いくら性能のいいコンピューターや膨大な容量のデータベースをもっていても、現在進行形の歴史ミステリーボックスにしかならない訳です。

情報を管理し、識って使えて役立ってこそ本来の意味を成す。

今回の高齢者所在安否不明事件は組織におけるマネジメント、管理マネジメント、情報マネジメントというものを改めて認識させられた気がする。