消える汽笛 明石海峡のフェリー

ついに明石海峡からもフェリーが消えるニュース

たこフェリー 姿消すのはほぼ確実 売却益を負債と従業員の退職分に当てるようです。

航路としては廃止ではなく休止なのがせめてもの救いですが、現状では遅かれ早かれ無くなる運命にあるでしょう

本来、明石淡路フェリー(当時 明石フェリー)は国道28号線の海上区間として県が運営しのちに道路公団が運営したこともあり明石海峡大橋の開通とともにその使命を終えるはずだったのです。

橋が架かる前は明石のフェリーの乗降場は大変な混雑でした。連休などになると待機場に入りきれない車が国道あたりまでの渋滞になるくらいで数時間待ちになるくらいでした。そのフェリー、私が気づいたときには既に民間の明岩フェリーになっていましたが、混雑は変りませんでした。今と異なり24時間運行を続けていました。

明石淡路フェリーあさなぎ丸

状況が変ったのが海峡大橋の大幅値下げと1000円高速。海峡大橋の弱点はその通行料金。そのことが原因で通行量は低迷し、そのころはフェリーも比較的減少も少なかったのです。しかしETC導入に伴う割引が始まってからは状況が変りました。橋の通行量そものの値下げとともに高速道路の割安料金、ついに1000円高速。高速道路の利用が大きくなると、料金が割高になり混雑する2号線を通ることになるフェリー経由は急減しはじめます。そのころは丁度そのほかの瀬戸内航路の廃止と重なります。そして今に至ります。

オリジナルカラーの明石淡路フェリー

元を辿ると、国道フェリーとして開業し、そもそもがその代替として運行していた経緯を考えれば海峡大橋建設の時から航路廃止は決定事項だったと言えるのです。だからこそ明石海峡大橋の起工とフェリーの払い下げが同じ年に行われているといっていいと思います。言ってしまえば当時の公団の経営から見ればいずれ赤字・廃止になる航路なら先に払い下げるのは、後々起きるであろう問題を回避できる分当然の方針といえるかもしれません。

たこフェリーことあさしお丸

ただ、今現在の地域交通を考えれば、すべての船便をなくすのはどうかと思う。

そもそも、国道フェリーであり地域交通を担ってきた一面も考慮すれば、明石市や淡路側だけに押しつけるのは明石海峡大橋の利便性やそちらに力を入れてきた県にも責任はあるのではと思う。道は地上にある分だけで無いわけで海上の見えない部分も道そのもの。そうであれば県としても維持する努力は必要なのではないだろうか。

高速道路 整備新幹線 空港 通り抜け 平行在来線 飛ばない空港

グローバル化や高速化 大きな利便性の一方でミクロスケールの交通は議論されず切り捨てられてきた。

今こそマクロからミクロまでの交通政策を見直し、本当に必要であり求められるべき交通網を残していくべき時ではないだろうか。

関連リンク

明石淡路フェリー株式会社

神戸新聞 たこフェリー11月休止へ 明石‐淡路間 

コメント




残念でなりません。
私が15才の時、今のジェノバライン乗り場に出来た事を記憶しています。あれから56年間経営者は変わっても明石ー岩屋間、毎日の運行お疲れ様でした。
出来た頃、単車で阿波踊りを見に行き、以後、四国に磯釣りに行く度に利用し、帰り岩屋港で5時間待ちなど覚えています。私釣りが好きで最近毎日沖に出て船で消えていくフェリーを惜しんでいます。
それより従業員の方たち今後どうされるかが気がかりです、頑張ってください。
何とか国の方継続してはもらえないのでしょうか?


  (引用)  (返信)

2010年10月23日17:35|  近藤行雄




近藤さま
なかの里noteに立ち寄って頂きましてありがとうございます。

震災前に播淡聯絡汽船と西淡路ラインがあったころに汽船を
最近は仕事と家族で淡路に行った際に利用しました。
橋は便利ですが通り抜け感が否めませんし運転士は景色を楽しむ余裕はないです。
船はその分お任せでゆったりした時間をの楽しむことができます。
早く行けることは確かに便利ですが、楽しむ余裕や課程を楽しむゆとりすら無くなっていくようで残念です。←早くすることがすべての目標になって楽しむことが次点になっている気がします。

従業員の皆様はこれから・・・退職金は支払われるようですはこれからは?ですね。会社にも責任はありますが、廃止の直接原因となった本四公団(現 本州四国連絡高速道路株式会社)や国、橋の整備を推し進めた県にもその責任はあるのではないでしょうか。特に県は料金低下を進めたこともあるので地元自治体として責任は重いでしょうね。

今後・・・
 一部車両にはフェリーでないと通行出来ない車両もあります。これらの救済策を考える必要もあります。現在のジェノバラインでは歩行者や自転車までとなっているのでこの隙間を埋めきれないでしょう。ただ、現時点で会社も航路を残したい様子ですし救済策が見つかれば復活するかもしれません。心配なのは国の政策ということろでしょうか。


  (引用)  (返信)

2010年10月24日11:40| 結崎 秀

CAPTCHA


* コメントフィード

トラックバック URL : https://nakanosato.net/archives/965/trackback