繰り返されるのか? 鍛冶屋線の二の舞

12月16日付神戸新聞社会面の記事「地域公共交通 再生へ 1」として神戸電鉄粟生線の存続問題が取り上げられた。

2年後の国の補助金打ち切り。地方公共団体の厳しい財政状況。自動車への移行。

高齢化を控えるこの国の将来において公共交通は更に重要になっていくのにか、鉄道の将来は非常に厳しくなってきている。

記事にもあるが廃止で思い起こされるのが鍛冶屋線。

最近の三木鉄道。

後者は生活圏と一致していないという致命的な問題があったのでそれほど問題にならなかったが、鍛冶屋線は異なる。

鍛冶屋線の廃止は現在に至っても西脇市に大きな影響を与えているといえよう。

中心市街地から鉄道が消えることは即ち外との繋がりが切れるに等しい。

鍛冶屋線がなくなり、駅という人が集まるところが消えるとともに中心市街地はどんどんと衰退していった。一方で車社会に適応した周辺エリアに店舗や住宅地が集中するドーナツ化が顕著になった。

バスターミナルは旧西脇駅跡に出来たものの、バスと鉄道という公共交通の要が分散したために利便性が損なわれた。

粟生線は当時より深刻かもしれない。マイカーの普及と人口減少、バスへの流出。

地元住民の選択肢として鉄道がオンリーで無い上に、そもそも選択肢にもはいっていない状況になりつつあるのかもしれない。

そのことはこれほどまでに問題になりつつも地元の反応が今ひとつ鈍いことからも伺える。

皮肉にも広島の可部線は廃止区間の一部を電化復活させる動きがいよいよ現実になろうとしている。

今、公共交通としての鉄道を見捨てるのか、それとも将来にわたる公共の財産として残していくのか。

判断が迫られている時が刻一刻近づいている。

コメント




可部線は復活というよりも、電化区間の延伸ですね。
現在の終点は可部市街地の南寄りにありますが、線路を少し伸ばして終点を市街地の西寄りに置こうというものです。
延伸される距離はたった1.7kmです。
ちなみに2003年に廃止された区間は46.2kmもあります。(旧鍛冶屋線の3.5倍ですね。)
距離が長いので記録撮影には苦労しました。(笑)

可部線の電化区間延伸事業は2011年度着工、2013年度完成予定で、運行本数は現在の可部駅並み(20分間隔)、駅は旧県営住宅跡地付近と途中の二箇所に設けられる予定だそうです。途中駅は安佐北区役所の近くに設けられるのではないかと思います。

鍛冶屋線は昔乗りに行きました。1989年頃だったと思いますが…。終点の鍛冶屋駅で硬券の入場券を買い求めたりしました。乗車したディーゼルカーはキハ23でしたね。加古川寄りでは地元客でワイワイ賑わっていたような記憶があります。


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2010年12月19日14:27| 鮎の塩焼き




鮎の塩焼き様 なかの里noteへのご訪問ありがとうございます。

可部線・・・確かに復活というには余りに少ないかもしれません。
ただ、既に電化してあった区間がある差はあるものの鍛冶屋線の廃止後に電化された加古川線と、廃止後に電化延伸となった可部線は対照的に写るところがあるように思います。
46.2Km・・・確かに長いですね。加古川線ならほぼ全線といったところですね。撮影お疲れ様です。

1.7kmの延伸区間に途中駅ですか。駅間距離短か!

鍛冶屋線についての記憶はむか~し昔に親戚に見舞いに日赤に行った時に走っていたのを覚えている程度です。
地元の方からは活気のあった頃や貨物引き込み線の話などをよく聞きます。
震災後に引っ越してきたときはまだレールが剥がされた荒れた廃線跡の状態が残っていました。今思えば写真に何故撮らなかったのだろうかと思うところです。


  (引用)  (返信)

2010年12月19日16:18| 結崎 秀

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