神鉄粟生線を取り巻く9月の動き

9月に入っていよいよ粟生線を取り巻く状況に動きが見られてきた。

1つに、9月1日付神戸新聞の粟生線存続戦略会議の記事から、これまで線路施設買取による上下分離や運賃値上げが主に議論されてきたが、ここにきて別会社化という動きが出てきたこと。

2つ目は、9月6日付北播磨地域づくり懇話会の記事より県の考えが見えてきたこと

1つ目に付いて言えば、これまでは神鉄側が勧めようとしているであろう鉄道施設の買取による上下分離とはことなり、そもそも別会社として切り離してしまおうという議論です。

実のところ、ちらほらとこれについては意見を聞くところでありまして、例えば粟生線を和歌山電鉄の実績がある岡山電気軌道などの会社の支援のもと別会社にしてしまおうというもの。

この場合、利用者からすれば鈴蘭台以南は別料金となり、さらに湊川~新開地も別となるので実質運賃値上げと同じことになるといえよう。ただ、地方鉄道再生のノウハウのある会社の支援があれば、現状とは異なった対策が打てる可能性もある。もっとも支援する会社が名乗りだせばのことだ。

2つ目について言えば、県の考えというより知事の考えになるのだろうが、存廃の危機にあるという粟生線に対して親会社の阪急阪神ホールディングスが明確な支援をしないことに対する苛立ちが読み取れる。これについて言えば、あくまで個人的な推測になるが、神鉄としては路線の切り離しは鉄道会社としての義務を放棄するようなものなので出来れば回避したいところなのであろう。しかしながら元来都市間鉄道の親会社にはローカル線の運営のノウハウを持ちえていないのではないだろうか。仮にそうだとすれば金銭的な支援が親会社から得られなければ、粟生線として親会社の傘下にいる必要は小さくむしろ先に記したようにノウハウのある会社に支援を求めた方が良いのではないかと思う。

別な考えとして、阪急阪神ホールディングスとしてはそもそも支援する気がないとすればどうか。

現状のままであれば、粟生線の存続を沿線自治体が求めたとしても先立つ資金がない状況に変わりは無く、最悪廃線へ突き進むことになるだろう。ここは自治体+県と会社側の駆け引きになると思われる。

こちらでもコメントでありましたが、減少したとはいえ粟生線単独でも年間680万人の利用がある鉄道線を廃止にしたとすれば、地域として県としても恥だろう。

鉄道会社は支援を求める以上は経営の透明化や路線運営の活性化策を、行政側も鉄道利用が増える街づくりや都市設計をすることが求められているように思います。

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コメント




結崎秀様、こんにちは。
神戸電鉄栗生線がそのような状況だったとは、知りませんでした。
上下分離なら以前私が取り上げた、若桜鉄道も「上下分離」方式で、50万円ほどの単年度黒字になっています。
鉄道事業者からすれば、赤字線は会社本体の屋台骨を揺るがす思いでしょうが、公共性が高い事業だけに、「スーパーが採算が取れんようになったけぇ、撤退するっちゃぁ~」と同じ感覚では済まないでしょうし・・・。
栗生線の年間680万人の利用者は大したもんです!
日中でも30分に1本は、少なくても運行されているわけでしょ。
鳥取県人の感覚で言えば、とても廃止とか、経営権の売却とか、「何で考えるの?」という感覚ですが(笑)。
神戸電鉄の基準に合わせたら、中国地方のJRローカル線の4割は廃止されたりして(笑)。
運営会社が変わったら、他の神戸電鉄線との運賃体系も変わることが見込まれるので、利便性にも響きますよねぇ。
その場合、栗生線の運賃が下がることは、絶対ないでしょうし・・・。
近鉄も伊賀線や養老線を「伊賀鉄道」「養老鉄道」に改組したし、北勢線を三岐鉄道に譲渡しただけに、岡山電気軌道あたりにご協力を願うことはありえるかもしれません。
民間企業なので「利潤追求」も分からないこともないですが、「地域の足・文化・歴史、そしてコミュニティー」を守っている企業、といった自覚は失ってほしくないなぁと思います♪
もちろん「安全輸送」も!


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2011年9月9日16:00| 松本賢治




神戸電鉄粟生線の場合、運転本数は小野までは毎時4本(上下合わせて8本)あり、終点の粟生までは2本(上下合わせて4本)あります。小野から粟生までは2駅なので決して少なくはありません。なにせ加古川線でも毎時1本(上下合わせて2本)ですから。しかしながらラッシュはともかく日中は本数のばかりで空気輸送がその実態です。一方で平行する神姫バスは輸送力こそ劣ったとしてもそこそこ乗ってます利用者を伸ばしています。
既にこれまでの記してきましたので詳細は割愛しますが、現状の神鉄の運営方針では手詰まり感があります。仰られますように安全性を確保しつつ住人・自治体伴に公共交通の意義を再確認して存続に繋がるようになればと思います。


  (引用)  (返信)

2011年9月12日22:25| 結崎 秀




親会社の阪急阪神HDは、経営統合したといっても、所詮「寄り合い所帯」のため、
私が見た限りでは、決してうまくいっているようには思えません。
これは歴史的風土が違う両者が経営統合したからといって、
内部で派閥争いをして、こういう問題に対して、明確な答えがでないと思います。

とくに、大手都市銀行などでよく見られることですが、
三菱東京UFJ銀行が成立したときも、
旧三菱系と旧三和系の争いがあり、現在では旧三菱系がいろいろ押さえております。
(ATMの統合のときも、旧UFJのシステムの方が優れていたのですが、
結果的に三菱系のシステムを採用したのは、やはり派閥争いの結果です)

おそらくは、親会社の阪急阪神HDは、コレといった方向を示せず、
この問題は神鉄で処理せよ。という冷たい態度を繰り返すだけであろう。
もし、この読みが当たっていれば、県知事が、最後の手段として、
県知事の許認可代行権をつかって、強硬措置を執るか、
あるいは、主力銀行から、神姫バスへの融資を止められるだろう。
こういうときの知事の力は怖い。
有名な話として、三井不動産が、オリエンタルランドの経営で千葉県ともめたとき、県知事が伝家の宝刀を抜いて、
三井不動産の県内の事業を全部知事権限で止めてしまったことがある。
まさか、粟生線問題でこのような読みが当たらないことを祈りたい。


  (引用)  (返信)

2012年10月17日00:49| ランちゃん

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