長電屋代線危機と粟生線の将来
先日長野電鉄活性化協議会が長野電鉄屋代線の廃止を決めたが、これは同じ地方鉄道の粟生線の将来を写しているように思えてならない。
屋代線についても今回の決定に至るまでさまざまな事が考えられたようだ。
ただその結果、バスに転換した方がいいと言う決定に至った訳だ。
鉄道の運営にはバス以上に多額の費用がかかる。もちろんそれを支えられるだけの収益となる旅客があればいい訳だがそれが無ければ赤字となる。公共交通とはいえ私鉄である以上底なしの赤字が許されるわけではない。
廃止した場合の影響と存続のコストを試算した結果、回復の見込みが無い場合は廃止にするか、地元自治体が支えるしかない。つまり税金の投入。もっとも昨今の財政事情を鑑みると容易いことではなく、そうでなくてもあるべき規模を考えると適正化しなくてはならない。
廃止決定について反発する意見はもちろんあるだろう。ではその反発する人は本当に利用しているのか?
もちろん使っている人もいるだろう。実際はそうでないから廃止になるわけで、みんなが利用していて廃止になるのであればそもそも鉄道廃止の問題以前の問題ではないだろうか。それは町としての危機かもしれない。
2011年度中に存廃を決めるという神戸電鉄粟生線。
赤字鉄道への補助が打ち切られるのが今回のきっかけだが、実は公共交通への支援は形を変えて行われるようだ。そんな記事を神戸新聞の2012年2月6日7面社説に見つけた。従来は各交通機関に支給されていた補助を公共交通の存続として地元や運行会社、自治体などを巻き込んで策定されたプランを支援する方向になるという。
そうなってくるとますます重要なのが地元自治体と住人の公共交通維持に向けた姿勢だ。鉄道として公共交通を残すのか、バスにするのか。はたまた鉄道やバスにしても運営や運行方法を利用者が望む方向に変えていくのか。
えちぜん鉄道、富山ライトレール、和歌山電鐵など参考になる例も出てきているので将来にわたってよりより姿で続いていくことを期待したい。